赤ちゃんのまぶたが赤く腫れている。その原因として、まず考えられるのは、細菌感染による「ものもらい(麦粒腫)」ですが、時には、全く別の原因、「アレルギー」によって、同様の症状が引き起こされている可能性もあります。この二つは、原因が異なるため、治療法も変わってきます。その違いを見分けることは、適切なケアに繋がる上で重要です。まず、「ものもらい」による腫れの特徴です。これは、細菌感染による急性の炎症であるため、通常、「片方の目」の、まぶたの一部が、局所的に赤く腫れ、痛みや熱感を伴います。しこりのようなものを触れることもあり、進行すると、膿点がはっきりと見えるようになります。一方、「アレルギー」によるまぶたの腫れは、花粉やハウスダスト、食物、あるいは動物の毛といった、特定のアレルゲンに対する体の免疫反応によって引き起こされます。アレルギー反応では、ヒスタミンという物質が放出され、血管が拡張し、皮膚に炎症が起こります。そのため、症状は、「両方の目」に、同時に現れることが多いのが特徴です。また、まぶた全体が、むくんだように、あるいは腫れぼったくなる感じで、局所的なしこりを伴うことは、あまりありません。そして、最も大きな違いが、伴う症状です。アレルギー性のまぶたの腫れの場合、「強いかゆみ」を伴うことが、非常に多く見られます。赤ちゃんは、しきりに目をこすり、その刺激で、さらに腫れが悪化することもあります。また、目の充血や、サラサラとした涙のような目やに、くしゃみ、鼻水といった、アレルギー性結膜炎や、アレルギー性鼻炎の症状を、同時に合併していることも、診断の大きな手がかりとなります。もし、赤ちゃんのまぶたの腫れが、両目に起こり、強いかゆみを伴っているようであれば、アレルギーの可能性を考える必要があります。このような場合は、まず「小児科」を受診し、アレルギーが疑われる旨を伝えましょう。必要であれば、「アレルギー科」や「眼科」といった、専門の診療科を紹介してもらうことになります。アレルギーの治療は、抗アレルギー薬の点眼や内服が中心となり、ものもらいの抗菌薬とは、全く異なるアプローチが必要となるのです。