階段を上ったり、重い荷物を持ったりした時に、胸が締め付けられるように痛む。あるいは、胸の中央あたりに、何か重いものを乗せられたかのような圧迫感を感じる。しかし、数分間休んでいると、その症状は嘘のように消えてしまう。このような、体を動かした時に現れる、一時的な胸の痛みや圧迫感は、「狭心症」の典型的なサインかもしれません。狭心症は、心臓の筋肉(心筋)に血液を供給している「冠動脈」という血管が、動脈硬化などによって狭くなり、心筋への血流が一時的に不足することで起こる病気です。この心臓からの危険信号に気づいた時、多くの人が「何科を受診すれば良いのだろう」と不安になることでしょう。このような、心臓の病気が疑われる症状で、まず相談すべき専門の診療科は、「循環器内科」です。循環器とは、心臓と、全身に血液を巡らせる血管の総称です。循環器内科は、この心臓と血管の病気を専門的に診断・治療するエキスパートであり、狭心症の診療における中心的な役割を担っています。循環器内科では、まず丁寧な問診を行い、どのような状況で、どのような胸の症状が現れるのかを詳しく聞き取ります。そして、心臓の状態を調べるための基本的な検査、例えば「心電図検査」や「胸部X線検査」、「心エコー(超音波)検査」などを行います。さらに、狭心症の診断を確定させるためには、運動によって心臓に負荷をかけ、その際の心電図の変化を調べる「運動負荷心電図検査」や、24時間心電図を記録する「ホルター心電図検査」などが行われることもあります。これらの検査結果から、狭心症の可能性が高いと判断されれば、薬物治療や、より専門的なカテーテル治療などが検討されます。胸の痛みは、胃食道逆流症や、肋間神経痛など、心臓以外の原因で起こることもありますが、最も怖い心臓の病気を見逃さないためにも、まずは循環器の専門家である循環器内科を受診することが、最も安全で確実な選択と言えるのです。
胸の痛みは心臓のサイン?狭心症は何科へ