花粉症の季節、くしゃみや鼻水、そして微熱や体のだるさも感じる。そんな時、専門の耳鼻咽喉科やアレルギー科が近くになかったり、あるいは、普段から体調のことで相談している、かかりつけの「内科」で、まとめて診てもらいたい、と考える方もいるでしょう。では、花粉症の症状で、内科を受診するのは、適切な選択なのでしょうか。結論から言うと、全く問題ありません。むしろ、内科は、地域医療における最初の窓口(プライマリ・ケア)として、花粉症の診療においても、重要な役割を担っています。ほとんどの内科クリニックでは、花粉症の基本的な診断と治療が可能です。医師は、問診で、季節性の症状であることや、アレルギーの既往歴などを確認し、花粉症と診断します。そして、治療の基本となる、アレルギー反応を抑えるための「抗ヒスタミン薬」などの内服薬を処方してくれます。花粉症の症状は、時に、頭が重い、体がだるい、集中力が低下するといった、全身の倦怠感を伴うことがあります。これは、アレルギー反応そのものによる影響や、鼻づまりによる睡眠不足などが原因です。内科医は、こうした全身の状態を総合的に診て、適切なアドバイスをしてくれるため、安心して相談することができます。また、高血圧や糖尿病といった、他の持病で、もともと内科に通院している方にとっては、わざわざ別のクリニックへ行く手間が省け、いつもの診察の際に、花粉症の薬も一緒に処方してもらえるという、大きなメリットがあります。ただし、内科での治療は、主に内服薬による対症療法が中心となります。もし、内服薬だけでは、鼻づまりや目のかゆみといった局所の症状が、どうしてもコントロールできない場合や、より専門的な治療(レーザー治療や免疫療法など)を希望する場合には、内科医から、耳鼻咽喉科やアレルギー科、眼科といった、専門の診療科へ紹介してもらうことになります。このように、かかりつけの内科は、花粉症診療の入り口として、そして、必要に応じて専門医への橋渡し役として、非常に頼りになる存在なのです。