指がばい菌に感染し、赤く腫れて痛む。この時、多くの人がまず思い浮かべる診療科は、皮膚科かもしれません。しかし、症状の程度や原因によっては、「整形外科」や「形成外科」といった、外科系の診療科が、より専門的な対応をすることもあります。これらの科は、それぞれどのような役割を担っているのでしょうか。まず、「整形外科」は、骨、関節、筋肉、腱、神経といった、運動器の病気や怪我を専門とする科です。指の感染症において、整形外科の出番となるのは、感染が、皮膚の表面だけでなく、より深い組織にまで及んでいる、あるいはその可能性が疑われる場合です。例えば、動物に深く噛まれた、あるいはガラス片などが深く刺さったといった、外傷が原因で感染した場合、傷が骨や腱、関節にまで達していないかを評価する必要があります。また、ひょう疽や蜂窩織炎が重症化し、指の骨にまで感染が及ぶ「骨髄炎」や、腱の周りに膿が溜まる「化膿性腱鞘炎」といった、重篤な状態に進行してしまった場合、これらの治療は、まさに整形外科の専門領域となります。これらの病気は、指の機能を著しく損なう危険性があり、多くの場合、入院して、手術による膿の排出や、傷んだ組織の除去(デブリードマン)が必要となります。次に、「形成外科」です。形成外科は、体の表面に生じた、組織の異常や変形、欠損などを、機能的にも、そして「整容的(見た目)」にも、より正常に近い状態に再建することを専門とする科です。指の感染症においては、例えば、感染によって皮膚が大きく欠損してしまった場合や、手術によってできた傷跡を、できるだけきれいに治したい、といった場合に、その専門性が発揮されます。皮膚移植などの、高度な再建手術を行うこともあります。また、皮膚の下にできた、良性腫瘍(粉瘤や脂肪腫など)の切除手術も、皮膚科だけでなく、形成外科で広く行われています。傷跡を最小限に、そして目立たなく仕上げる技術に長けているのが、形成外科の大きな特徴です。まとめると、一般的な指の細菌感染は「皮膚科」、感染が骨や腱など深部に及ぶ重症例は「整形外科」、そして、傷跡をきれいに治したい、あるいは再建が必要な場合は「形成外科」と、それぞれの専門性に応じて、連携しながら治療にあたることになります。
指のばい菌、整形外科と形成外科の役割