花粉症の症状で、意を決して病院を受診した際、具体的にどのような診察や検査が行われるのか、事前に知っておくと、安心して臨むことができます。診療の流れは、受診する科によって多少異なりますが、基本的には、丁寧な問診から始まります。まず、医師は「問診」で、あなたの症状について詳しく聞き取ります。いつから、どのような症状がありますか?(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど)毎年、同じ季節に症状が出ますか?症状がひどくなるのは、どんな時ですか?(屋外、特定の場所など)あなた自身や、家族に、他のアレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎など)はありますか?これらの情報から、医師は、あなたの症状が、季節性のアレルギー性鼻炎・結膜炎、すなわち花粉症である可能性が高いかどうかを判断します。次に、それぞれの科で、専門的な「診察」が行われます。耳鼻咽喉科であれば、鼻鏡やファイバースコープを使って、鼻の粘膜の腫れや、鼻水の色・性状を直接観察します。眼科であれば、細隙灯顕微鏡で、結膜の充血や、アレルギーに特徴的な変化がないかを確認します。これらの診察所見は、診断の重要な根拠となります。さらに、診断を確定させたり、原因となっている花粉を特定したりするために、「検査」が行われることもあります。最も一般的なのが、「血液検査(特異的IgE抗体検査)」です。少量の採血で、どの花粉に対して、体がアレルギー反応を起こしやすいか(感作されているか)を調べることができます。また、耳鼻咽喉科では、鼻水を少量採取して、その中にアレルギー反応に関わる「好酸球」という白血球の一種が増えていないかを、顕微鏡で調べる「鼻汁好酸球検査」を行うこともあります。これらの問診、診察、検査の結果を総合的に判断して、医師は最終的な診断を下し、あなたの症状やライフスタイルに合わせた、最適な治療法(内服薬、点鼻薬、点眼薬など)を提案してくれます。初めての受診は緊張するかもしれませんが、あなたのつらい症状を改善するための、大切な第一歩です。不安なことは、遠慮なく医師に質問しましょう。
花粉症の診療、病院ではどんなことをする?