医療保険制度や診療報酬のチェックポイント解説

2025年8月
  • 喉のブツブツと痛み、考えられる病気

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    喉にできた赤いブツブツが、強い痛みや、発熱、倦怠感といった症状を伴う場合、それは、何らかの感染症にかかっているサインです。特に、子供から大人まで、注意が必要な病気がいくつかあります。まず、子供に多く見られ、大人も感染するのが、「A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)」による「急性咽頭炎・扁桃炎」です。溶連菌に感染すると、38度以上の高熱と共に、喉に、針で刺されるような、非常に強い痛みが現れます。喉の奥を見ると、扁桃腺が真っ赤に腫れ上がり、その周りの粘膜にも、赤い点状の発疹や、ブツブツが見られることがあります。また、舌がイチゴのように赤くブツブツになる「苺舌」も、特徴的な症状の一つです。溶連菌感染症は、抗菌薬(抗生物質)による治療が必要であり、放置すると、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった、深刻な合併症を引き起こすリスクがあるため、迅速な診断が重要です。次に、夏になると、主に子供たちの間で流行するのが、エンテロウイルス属が原因の、いわゆる「夏風邪」です。その代表格である「ヘルパンギーナ」は、突然の高熱で発症し、喉の奥、特に口蓋垂(のどちんこ)の周りに、赤い発疹と、小さな水ぶくれ(水疱)が、多数できるのが特徴です。この水ぶくれが破れると、口内炎になり、強い痛みで、食事や水分が摂りにくくなります。同じく夏風邪の「手足口病」でも、喉や舌、頬の内側などに、痛みを伴う口内炎ができますが、その名の通り、手のひらや足の裏にも、特徴的な発疹が現れることで、鑑別できます。これらのウイルス感染症には、特効薬はなく、対症療法が中心となります。その他にも、アデノウイルスによる咽頭結膜熱(プール熱)など、喉に赤いブツブツと痛みを引き起こす病気は、様々です。これらの病気は、それぞれ感染力や、注意すべき点が異なります。喉の痛みとブツブツに気づいたら、自己判断で市販の風邪薬を飲むのではなく、必ず、内科や小リ科、耳鼻咽喉科といった医療機関を受診し、医師による正確な診断を仰ぐようにしてください。

  • 狭心症のサイン?こんな胸の痛みに要注意

    医療

    狭心症による胸の痛みには、いくつかの特徴的なパターンがあります。これらのサインを知っておくことは、病気の早期発見に繋がり、より深刻な「心筋梗塞」への進行を防ぐ上で、非常に重要です。まず、最も典型的な狭心症である「労作性狭心症(ろうさせいきょうしんしょう)」の症状です。これは、体を動かした時、つまり心臓が多くの酸素(血液)を必要とする時に現れます。きっかけ: 階段や坂道を上る、重いものを持つ、急いで歩く、興奮する、といった身体的・精神的な負荷がかかった時。痛みの場所: 胸の中央部、あるいは少し左側。しかし、左肩、腕の内側、顎、喉、歯、みぞおち、背中などに痛みが広がる(放散痛)ことも、非常に多く見られます。痛みの性質: 「締め付けられる」「圧迫される」「何か重いものを乗せられたよう」といった、鈍い痛みが特徴です。チクチクとした、針で刺すような鋭い痛みであることは、比較的稀です。持続時間: 通常、痛みは数分間、長くても15分以内には治まります。どうすると治まるか: 原因となった動作をやめて、安静にしていると、症状は自然に軽快します。また、ニトログリセリンという舌下錠が、即効性をもって効くのも大きな特徴です。次に、より注意が必要なのが、安静にしていても発作が起こるタイプの狭心症です。その一つが「冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)」です。これは、冠動脈が一時的にけいれん(攣縮)を起こして、急激に狭くなることで発症します。特に、夜間から早朝にかけて、睡眠中や安静にしている時に、胸の圧迫感や痛みで目が覚めるのが特徴です。日本人には比較的多いタイプで、喫煙やストレス、過度の飲酒が引き金となると言われています。そして、最も危険なのが「不安定狭心症」です。これは、これまでよりも軽い労作で発作が起きるようになった、発作の頻度が増えた、安静にしていても胸の痛みが起こるようになった、といった、症状が悪化している状態を指します。これは、冠動脈内のプラーク(動脈硬化による粥状の塊)が破れかかって、血栓ができ始めているサインであり、心筋梗塞に移行する一歩手前の、極めて危険な状態です。このような症状の変化に気づいたら、直ちに循環器内科を受診する必要があります。