急にかかとが痛み出し、日常生活に支障をきたしている場合、いつまでセルフケアで様子を見て良いのか、あるいは専門医に相談すべきか、判断に迷うことがあるかもしれません。しかし、かかとの痛みは放置すると慢性化し、治療が長引く可能性もあるため、適切なタイミングで専門家の診断を仰ぐことが非常に重要です。まず、セルフケアを試みてから数週間が経過しても痛みが改善しない場合、あるいは痛みがむしろ悪化している場合は、迷わず医療機関を受診すべきです。市販の痛み止めや湿布、ストレッチ、アイシングなどのセルフケアは、初期の軽い症状には有効なことが多いですが、それだけでは根本的な解決に至らないケースも少なくありません。特に、痛みが強すぎて日常生活に支障をきたしている、例えば、痛みのせいで仕事に集中できない、睡眠が妨げられる、好きなスポーツができないといった状況であれば、早期に専門医の診察を受けることが推奨されます。また、痛みに加えて、かかとの腫れや熱感、変形が見られる場合も、すぐに医療機関を受診すべきサインです。これらの症状は、単なる足底筋膜炎以外の、より重篤な疾患が隠れている可能性を示唆していることがあります。例えば、骨折や関節炎、感染症などが原因であることも考えられます。自己判断で様子を見ていると、症状が悪化したり、治療が手遅れになったりするリスクがあるため、専門医による正確な診断が不可欠です。どのような専門医に相談すべきかという点も重要です。かかとの痛みは、主に整形外科の領域となります。整形外科医は、骨や関節、筋肉、腱などの運動器の専門家であり、足底筋膜炎をはじめとするかかとの痛みの原因を正確に診断し、適切な治療法を提案してくれます。診察では、問診や触診に加え、レントゲン撮影やMRIなどの画像診断が行われることもあります。これにより、骨の異常や腱の損傷の有無などを詳しく調べることができます。診断された原因や症状の程度によって異なりますが、一般的には、薬物療法(内服薬、外用薬)、理学療法(ストレッチ、筋力トレーニング)、装具療法(インソール、サポーター)、体外衝撃波治療などが選択されます。これらの治療法は、専門医の指導のもと、適切に行われることで、痛みの軽減と機能改善が期待できます。
かかと痛を専門家に診てもらうタイミング