春から初夏にかけて、保育園や小学校で「りんご病が流行っています」という知らせを耳にしたら、大人は自分の体調変化に細心の注意を払う必要があります。もし、鏡を見て「いつもより頬が赤い」と感じたり、手足に網目状の発疹を見つけたりした際、私たちはどのように行動すべきでしょうか。まず第一に、パニックにならずに自身の全身状態をチェックしてください。大人のりんご病は、皮膚症状が現れる数日前に、軽い頭痛や倦怠感、微熱といった前駆症状があるはずです。もし「頬が赤い」状態ですでに数日が経過しているなら、医学的には周囲への感染力はほぼ消失していると考えて間違いありません。したがって、慌てて仕事を放棄して病院へ駆け込む必要はありませんが、それでも受診を勧める理由は二つあります。一つは、他の重大な疾患、例えば全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患との鑑別が必要だからです。SLEでも「蝶形紅斑」と呼ばれる頬の赤みが出るため、専門医による正しい診断を受け、安心を担保することが重要です。二つ目の理由は、関節痛への対処です。大人のりんご病による関節痛は非常に強力で、適切な消炎鎮痛剤の処方を受けなければ日常生活に支障をきたします。次に、職場や周囲への報告についてのアドバイスです。りんご病と診断されたら、たとえ感染力がなくなっていても、一言周囲に伝えるのがマナーです。特に、職場に妊娠中の同僚がいる場合は、情報の共有が極めて重要になります。あなたが「頬が赤い」と自覚する一週間ほど前に、すでにウイルスを周囲に広めていた可能性があるからです。その同僚が抗体を持っていない場合、産婦人科での迅速な抗体検査が必要になるかもしれません。また、自分自身のケアとしては、とにかく「温めないこと」と「日光を避けること」を徹底してください。パルボウイルスによる発疹は、血流が良くなると再燃しやすく、痒みを伴うことがあります。熱いお湯での入浴や激しい運動、飲酒などは、あんなに綺麗に消えかけていた頬の赤みを再び呼び戻してしまう引き金となります。外出時には日傘や帽子を使用し、肌の露出を抑えることも、症状を長引かせないための知恵です。食生活については、ウイルスと戦うための高品質なタンパク質とビタミンを意識して摂り、身体の免疫システムをサポートしてあげましょう。大人のりんご病は、適切な管理さえ行えば、後遺症を残すことなく完治する病気です。しかし、治るまでのプロセスが長く、精神的に滅入りやすい性質を持っています。「たかがりんご病」と自分を追い込まず、今の赤ら顔も、身体が一生懸命に戦った証なのだと受け入れ、ゆったりとした気持ちで過ごすことが、回復への最短距離となります。自分の身体が出しているサインを尊重し、プロフェッショナルな大人として賢く対処していきましょう。
りんご病の流行期に大人が頬の赤みに気づいたらすべきこと