生後十八ヶ月になったばかりの娘の背中に、真珠のように白く光る小さなポツポツを見つけた日のことを、私は今でも鮮明に覚えています。最初は「少し汗疹ができたのかな」程度にしか思っておらず、市販の保湿剤を塗って様子を見ていました。しかし、一週間も経たないうちに、そのポツポツはお腹や脇の下へと広がり、数も十数個に増えていました。保育園に迎えに行った際、担任の先生から「これ、水いぼかもしれませんね。一度皮膚科で診てもらってください」と告げられたとき、私は何とも言えない申し訳なさと不安に襲われました。自分のケアが足りなかったのではないか、不衛生な環境にさせてしまったのではないか、という自責の念が頭をよぎったのです。翌日、近所の皮膚科を受診すると、医師は娘の肌をライトで照らしながら、迷いなく「典型的な水いぼですね」と診断を下しました。原因はウイルス感染であること、そして特に娘のように肌が乾燥しやすい子は、保育園のプールやお着替えの時間の肌の触れ合いで容易に移ってしまうのだと説明されました。先生の言葉で救われたのは、「これはお母さんのせいではなく、子供なら誰でも通る道ですよ」と言われた瞬間でした。娘の肌はもともと弱く、少し油断するとカサカサになりがちで、そこがウイルスの入り口になっていたようです。治療について、医師からは二つの選択肢を提示されました。専用のピンセットで一つずつ摘まみ取る方法と、免疫ができるまで数ヶ月から一年待つ方法です。娘が泣き叫ぶ姿を想像し、私は一度は「待つ」ことを選びましたが、保育園でのプール遊びの制限や、他の子への感染リスクを考えると、やはり放置し続ける勇気はありませんでした。結局、麻酔テープを貼ってから除去する処置を受けることにしましたが、それでも泣きじゃくる娘を抑えながら、なぜこんなことになってしまったのかと、原因となったウイルスを憎らしく思ったものです。この体験を通して痛感したのは、水いぼは単なる「できもの」ではなく、子供の未発達な免疫と皮膚の状態を映し出す鏡なのだということです。原因を辿れば、集団生活という社会的な環境と、乾燥肌という身体的な特性が重なった必然の出来事でした。その後、私は娘のスキンケアをそれまで以上に徹底し、朝晩の全身保湿を欠かさないようにしました。半年後、最後のいぼが消えたとき、娘の肌は以前よりもずっと強く、しなやかになったように感じられました。水いぼとの闘いは、親としての私に「子供の身体を守るための知識」と「周囲と協力しながら病気と向き合う忍耐」を教えてくれた、過酷ながらも貴重な経験となりました。今、同じように子供の小さな発疹を前に立ち尽くしている親御さんに伝えたいのは、それは決してあなたの不注意ではなく、お子さんが一歩ずつ外の世界に適応しようとしている証なのだということです。